今回は欧米と日本の労働時間の比較をチェックしてみました。ヨーロッパ・欧米では夜勤規制が厳しいようです。例えば、スイス、スウェーデン、ベルギー、ノルウェー、フィンランドでは基本的に看護師の夜間の勤務は禁止されているようです。
欧州・ILOでは夜勤労働者の労働時間を厳重に規制しています。週40時間労働(通常)より3時間〜4時間短縮。労働協約では37時間労働。EUヨーロッパ諸国では夜勤労働時間を短縮しています。
また賃金に関しては、夜間の勤務が必要な職種(医療関係・航空関係)などは時間外割増賃金が設定されています。(深夜割増100%、時間外割増50%)下記の労働時間の比較をご覧ください。
◎週の労働時間の比率(単位は%)
【週労働時間35時間以上】:【週労働時間35時間未満】
国名 |
35時間以上:35時間未満 |
---|---|
日本 |
99:1 |
アイルランド |
70:30 |
ドイツ |
65:35 |
デンマーク |
47:53 |
ノルウェイ |
43:57 |
アイスランド |
28:72 |
※日本は、諸外国に比べて週労働時間35時間以上が99%と特に多い傾向がわかる。2交代制で夜勤16時間は、日本の看護師だけであるようです。
参考データ:日本看護協会/EU(欧州連合)の労働時間他
国際的な原則・基準として、諸外国においては、夜勤・交代制勤務に関するさまざまな基準があります。特にそれらは、人間としての健康、安全、生活の3つが基準として考えられているようです。
例えば、夜勤についてルーテンフランツ9原則とポワソネのヘルスワーカー6原則両方に「夜勤の継続は最小限にとどめるべきである」と記されています。日本には「夜勤専従」という言葉もありますが、諸外国では夜勤に対しての基準はこの言葉からは厳しいように受け止められますね。
また、交代時間や周期についてはどちらの原則も、「交代周期(シフトの一巡)の期間は長すぎてはいけない」とし、休みについても「少なくとも終日オフの2連休の週末連休をいくつか配置すべきである」と同様のことが表記されています。このあたりは特にチェックすべきポイントかと思いました。
参考データ:日本看護協会訳 ルーテンフランツ9原則/ポワソネのヘルスワーカー6原則